白石陽一の展示室
自然の動きを写し取る作品を展示していたのは白石陽一さん。 森の中の広範囲を丁寧に掃除し、自身の作品の白がぐっと浮かび上がる展示をされているのを見ると、彼が白にこだわる理由が見えてきました。
それは、白という形ではなく、そこに浮かび上がる白と影とのコントラスト。 そのコントラストを際立つ空間作りとして、針葉樹の森の徹底した掃除があったのだと思います。
点在する白い作品。
作品ひとつひとつに目を向けると、自然を写し取った部分に目が行き、作為と無作為の物語が生まれる時間軸を感じることができるとても素敵な展示室となっていました。 ちらほらと生える緑の植物も、あえて自分の花器に生けるのではなく、そこに寄り添わせるように展示することによって、花器とあるべき植物の関係を問う作品となり、自然が生み出す造形の美しさ、森への愛を感じました。 一番上の葉の作品は、実際に葉に泥を塗り、焼き上げた作品です。
展示スペースの少し離れたところに作品の販売スペースも設け、白石さんのやりたいことを短い期間の間に出し切っている印象でした。