出展者紹介・・・太田良子
①前回の森の展示室での展示では、かなり興味深い展示をされていましたが 前回の展示のコンセプト等、お聞かせください。
昨年展示させてもらった作品は一本の蜘蛛の糸に枯葉がひっついてユラユラと揺れている
姿がとても美しかったので、わたしはわたしの糸に私が美しいと思うもの(錆びた釘や
根、ガラスの欠片など自分の身の回りに落ちているもの)をつけたものを展示しました。
これは以前に制作したものでしたが一度森の中で展示してみたかったので声をかけて頂いたとき
この作品を展示したいと浮かびました。
森に展示し作品と向き合うとこの糸に結びつけているものが
わたしにとって何なのか?答えがわかった気がしてとても気持ちがよかったです。
これはあの空間に展示したからこその発見だったと思います。
②去年の展示は個人的には、もっとも森というものをうまく生かして、展示されていたと思っていますが、 展示する場所、展示の仕方など森での展示で気を付けたことなどございますか?
ありがとうございます。とくに気を付けたことはないのですが
展示前はとにかく森の中での展示がうれしくて妄想を
膨らましていきました。気を付けたことといえば
人間の気配を極力消せたらいいなと考えていたかもしれません。
③今年はどのような展示になるのですか?
今回はあらたに2点の作品を制作しました。
さらに森に溶け込みたいという欲求が強くなったようで
イメージする場所が見つけられるか不安でした。
ですが事前に森の中でステキ場所を見つけれたので
(わかりづらい場所かもしれませんが探してみてください!)
今は展示できることにワクワクしてます。
④最後に、太田さんはガラスという素材を使いながらも、表現が日常で使うものを制作するというよりもアート寄りになっていると思いますが、太田さんにとって、制作とは何なのでしょうか? 太田良子としての表現はほとんどが個人的なこと。わたしは私の為に制作し、私自身が作品を観たいという欲求を満たすために制作しています。
内側から吐き出すものは、ほとんどがネガティブなものが多いのですが、うまくいえませんが誰にも気づかれずそっと咲く美しい花のようなものを
つくりたいとも思ってます。
以前にある人からの手紙で
「作品に自分を閉じ込めることはどこかで解放することにつながっている。
とても個人的なことは突きつめてゆくと普遍な力を持つ。
簡単なことではないけれど普遍というのはわかりやすいことではなくて
“唯一のもの”であること。
そのことが伝える力を与える。」
この言葉はいまも私にとって大切な言葉です。
わたしのつくるもので何かを感じてもらえたらうれしいです。