出展者紹介・大橋史人
森の展示室出展者紹介・大橋史人
すべての方と言えませんが設計士と話しをしていると、ひとつのモノを作り上げていくのに、深く広く物事を考えているのだなと感心することがあります。 大橋さんもその一人 彼は、場の持つ空気を大切にします。 そして、それを土地の持つ空気と合わせてどうかということを考えます。 暮らすというのは、日々のことだけど、大切なこと。 今回、このような展覧会では、珍しい建築家に声をかけました。 お題は熊谷俊さんのオブジェのイレモノ(家)
Q:大橋さんのつくる建築において大切にされていることは何ですか? A:そこの場がどうあれば心地よいのか?をさぐることです。 建築は三次元のものをつくります。 その三次元のものにより、そこにうまれる空気感がどうあれば良いのか? それは美しい光であったり、深い暗闇であったり、そよそよとそよぐ風であったり、湿度を感じる匂いだったり… こういったさまざまな感覚を喚起する要素が「心地よさ」ととらえています。 その心地よさとは、「間」をどう意識するかによって変化していく。 空間、時間、人間…建築をつくりあげるすべてが「間」によって成り立っています。 非常に抽象的ではあるのですが、かたちありきではない向き合い方を大切にしたいです
Q:今回森の中で熊谷俊さんのオブジェをおさめる小さな小屋のようなものを作っていただきますが どのような考えで制作を進められていますか? A:森がもっとも大きな受け皿ととらえています。熊谷さんの作品は、かみさまのようなオブジェで森の中で身を潜めてしまうような手のひらにのる大きさの作品です。 質感はガラスでありながら土っぽさや刻々と変化する空模様などを意識させられます。 また作品本体から魂がふわっと離れてしまうような浮遊感も感じています。 あまり今まで感じたことのない感覚をいただき、日々熊谷さんの作品に向き合っています。 大きな森と小さなかみさまのようなオブジェとをつなぐ手掛かりはなんだろう?と考えながら、具体的な小屋をつくるではない、森とオブジェをつなぐ概念としての小屋を作りたいです
Q:今回の森の展示室のために2日に渡って実際の森を視察していますが、建築と場の関係性のこと についてお聞かせください。 A:展示する場所を探すというよりも、他のどことも違う神聖さ、を感じられる場所があるといいなと思い森を歩きました。 明らかに違う、というより、ちょっとした差異でしかないのですが… また、さまざまな植物の構造の美しさをゆっくり散策しながら、まじまじと観察できました。 このような要素のひとつひとつが全て今回つくる小屋につながるわけではないですが、つくるプロセスにおいて、どれもうっすらと関連してきます。 建築と場の関係性とは、このようにその場を取り巻くいくつもの要素がかたちとして見えるか見えないかにかかわらず、どれも影響を与えあっています。