出展者紹介・片桐功敦/ハタノワタル
3月31日~4月3日まで開催する「白い祈り・黒い原罪」の展覧会情報を掲載します。
この展覧会は森の展示室に巡回します。
原発事故以降、様々な活動を通じて、この現実に向き合ってきました。一方で何か作品を通じて表現できないかな?と森の展示室(空想時間)で毎年インスタレーションを発表してきました。 何がそうさせたのかというと、原発事故以前から、色々仲間とイベントをしたり発信をしていた私の住む綾部の志賀郷と800年以上の伝統がある私の仕事場である黒谷和紙が大飯原発から30km圏内ということがおおきかったと思います。 ここで何年も続く豊かな暮らし、知恵、つながてきた伝統、人と人との絆、そんなものが一瞬にして追い出された。おそらく福島のあの地もここのような、もっとそれ以上の豊かさがあったのかも知れない。そう思うと、何もせずにいれなかったと思います。 徐々に風化していく震災のこと、原発のこと。今年はどう表現しようかなと考えていたところ、実際に30キロ圏内に行き、誰もいなくなった町で花を活ける活動を続けている片桐功敦さんから声をかけて頂き、そんなテーマで作品展を開催できる機会に恵まれました。 お時間ある時に見に来ていただければ幸いです。 尚、この展覧会は京丹波わち山野草の森で開催する「森の展示室」にも巡回します。 花・片桐功敦 インスタレーション・ハタノワタル 日時 2017年3月31日(金)〜4月3日(月) 午前11時〜午後7時 入場無料 会場 主水書房 〒590-0041 大阪府堺市堺区陵西通2−15 電話 072-227-7980 email info@mondebooks.net HP http://mondebooks.net/
-------------------------------------------------------------- 2012年より活動を休止していた主水書房では5年ぶりの展覧会に「白い祈り/黒い原罪」と題し、華道家・片桐功敦と和紙作家・ハタノワタルによるインスタレーション作品を展示いたします。近年の二人の活動の共通点に東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の問題への取り組みがあります。片桐は2013年〜2015年にかけて福島県南相馬市に拠点を移し、放射能汚染による避難を余儀なくされた地域に咲く花を生ける活動を続けてきました。ハタノは京都府綾部市に続く黒谷和紙の作家として原料である楮を育て、和紙を漉くという自然に根ざしたものづくりをするなか、原発事故による土壌、水質の汚染への問題意識を問いかけるインスタレーションを発表してきました。 2011年3月11日の出来事が徐々に風化していくなか、再度あの日を考え直すために、二人の作家が作り出すだす空間。是非ご高覧ください。 -------------------------------------------------------------- <作家紹介> 片桐功敦 1973年大阪生まれ。華道家。1997年、24 歳で大阪府堺市に続くいけなば流派、花道 みささぎ流の家元を襲名。片桐のいけなば のスタイルは伝統から現代美術的なアプロー チまで幅広く異分野の作家とのコラボレー ションも多数。小さな野草から、長年のテー マでもある桜を用いた大規模ないけばな作 品まで、その作品群はいけばなが源流とし て持つ「アニミズム」的な側面を掘り下げ、 花を通して空間を生み出している。2013 年より文化庁助成事業「はま・なか・あいづ 文化連携プロジェクト」の招聘作家として 福島県南相馬市に長期滞在して多数のい けばな作品を制作。その成果が「Sacrifice ~未来に捧ぐ、再生のいけばな~ 青幻舎 刊」として上梓された。 website http://www.katagiriatsunobu.com/
ハタノワタル 1971年淡路島生まれ。和紙作家。1995年多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業後、自らの絵の製作に用いていた黒谷和紙に興味を持ち京都府綾部市の黒谷和紙研修生となる。以後、同地で紙漉きに従事し、黒谷和紙の普及につとめる。近年は製品である和紙の販売だけにとどまらず、和紙を用いた内装、造形作品、絵画、書と和紙の可能性を押し広げる活動を続けている。また2014年より自らが運営に関わる野外アート展覧会「森の展示室」に於いて、3月11日に漉いた紙を3月12日に森にし、土に還すインスタレーションを発表している。 website https://www.hatanowataru.org/